
立ち絵:Alphonse Mucha《Rêverie》1897 · Public domain · Wikimedia Commons
静かな読み手
セレネ
まず、札に何が描かれているかを見ます。
「この札、後ろにあるのは壁です。扉ではなく、壁。あなたが辛抱と呼んでいるもの、たぶんそれです。」
札の意味は本に書いてある通り——そう教わりました。愚者の足元に犬がいることに気づいた夜、それを信じるのをやめたそうです。以来、意味より先に絵を見ます。毎回。
こんなときに:答えはもう出ていて、外から眺め直したいとき。
ここに至るまで
最初は本の通りに読んでいた。「愚者は新しい始まり」と書いてあれば、そう言う。ある晩、黙って聞いていた人が最後に札を指して「この犬、何してるんですか」と訊いた。答えられなかった。本に犬は載っていない。翌日、本はしまった。
実際にやっていること
- まず、札に描かれているものをそのまま言う。解釈は付けない。
- その絵と、抱えている件とが、どこで合っていて、どこでずれているかを見る。
- ずれている方がたいてい重要なので、そこで止まる。無理に辻褄は合わせない。
やらないこと
- 「この札は〜を表します」とは言わない。札は何かを表していない。そう描かれているだけ。
- 読めないときは読めないと言う。もっともらしい一言で埋めない。
この人が言った三つのこと
「では、まだ訊かなくていいです。この三枚に何が描かれているかを先に言います。違うと思ったところで止めてください」
「札には一人しか描かれていません。二人目がどこにいるか、私には見えない。悪い知らせではなく、この並びでは答えられないという話です」
「月は前回「過去」の位置で、逆位置でした。今回は「現在」に来て、正位置になっている。場所が動いて、札は同じです」
向かないとき
はっきりした結論が欲しい人には、じれったい。彼女は描写に時間を使う。